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前立腺疾患

前立腺とは

男性にのみ存在する臓器で、膀胱の真下にある栗の実大の臓器(成人で約20グラム)であり尿道を取り囲んでいます。精嚢(せいのう)と一緒に精液をつくる役目を果たしています。さらに前立腺は膀胱出口の開閉にも関わっているので、排尿のコントロールにも関与しています。当院ではこの前立腺で発症する病気の診断・検査・治療を行います。

主な前立腺の病気

前立腺肥大症

男性は年をとると尿の出が若い頃と比べると悪くなります。その原因の中で最も多いのが前立腺肥大症です。加齢とともに前立腺は肥大するようになるのですが、大きくなると内側を走る尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されたりするようになります。そうなると尿が出にくくなるなどの排尿障害が現れるようになります。50才以上の男性5人に1人が治療を必要とする前立腺肥大症といわれています。症状としては、残尿感、トイレに行く回数が増える(頻尿)、尿意切迫感、尿の勢いが弱い(尿勢低下)といったことが見られます。さらに肥大が進み、膀胱に残る尿の量が増え、感染症や腎不全などの疾患を引き起こすことがあります。

検査について

問診や患者様が訴える症状から前立腺肥大症が疑われる場合は検査を行います。主な内容は、血液検査、尿検査、超音波検査、尿流動態検査などです。血液検査では、腎機能障害や前立腺がんの有無を確認します。尿検査では前立腺だけでなく、他の臓器に異常が無いかについても確認します。超音波検査(エコー検査)では、前立腺の大きさ、残尿の程度を調べます。また、尿流動態検査では、尿流率や残尿量など排尿機能障害の程度を調べます。

治療について

治療の基本は薬物療法になります。主にα1遮断薬を用います。これは高血圧治療でも使用される薬でもありますが、前立腺や尿道の筋肉を弛緩させ、尿を出やすくするという効果が期待できます。薬物療法で効果がみられない場合は、手術療法となります。TURP(経尿道的前立腺切除術)と開腹被膜下前立腺腺腫核出術があります。TURPは開腹することなく経尿道的に電気メスを用いて尿道から前立腺組織を削り取るというもので、出血も少ないことから手術療法としてはよく利用されている施術です。
さらに最近ではレーザーを用いた新しい内視鏡手術としてホルミウムレーザー前立腺核出術や光選択的レーザー前立腺蒸散術も行われています。

前立腺炎

前立腺に炎症が生じた状態が前立腺炎です。前立腺炎には急性前立腺炎と慢性前立腺炎がありますが、これらの症状や経過はそれぞれ大きく異なります。
(泌尿器科専門医でないと診断・治療は困難です。)

急性前立腺炎について

大部分は外尿道口から入ってきた細菌による尿路感染で、原因菌の多くは大腸菌です。青年~壮年期の男性に発症しやすく、高熱(38℃以上)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状がみられます。前立腺が腫れるので、尿道が圧迫され排尿障害や時には尿閉(尿が出なくなる)を生じることもあります。

検査について

超音波検査で前立腺の腫大状況を確認するほか、尿検査や血液検査も行います。尿検査では尿中白血球や細菌の有無、血液検査では主に炎症の程度を調べます。

治療について

治療は主に抗菌薬の点滴や内服薬の使用になります。炎症が強い場合は入院加療が必要になる場合もあります。

慢性前立腺炎について

慢性前立腺炎は前立腺に細菌が感染して慢性化したものだけでなく、原因がはっきりせず細菌でない病原体が関与している場合や、骨盤内の鬱血が影響しているケース(慢性骨盤痛症候群)も考えられます。20~50歳代の男性に多いです。陰部の不快感、排尿時・排尿後の痛み、射精時・射精後の痛み、精液に血が混じるなど多様な症状が見られますが、その程度もいろいろです。潜在的な患者数は多く、全男性の約5%がこれらの症状を経験します。

検査について

尿検査および前立腺後マッサージ後に尿道から出る前立腺圧出液に細菌や白血球があるかどうかを確認します。

治療について

治療法では抗菌薬や漢方薬の投与、生活指導などがあります。なお原因が非細菌性(慢性骨盤痛症候群)の場合は、α1遮断薬などによる薬物療法となります。慢性の場合は、難治性、反復性のこともあるので、症状が改善するまでに数ヵ月~半年を要することも少なくありません。

前立腺がん

前立腺に発生する上皮性悪性腫瘍を前立腺がんと言います。患者数は50歳以上の男性が多く、発がんのメカニズムは完全に解明されたわけではありませんが、男性ホルモンの影響や食生活の欧米化、あるいは加齢といったものが影響しているのではないかと言われています。

検診などで前立腺がんの腫瘍マーカーPSA採血を受け、異常高値であると指摘されて発見される場合は無症状なことが多いです。そして病気がある程度進行して、がん自体が大きくなると膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルや血尿などが生じるようになります。また前立腺がんは骨やリンパ節に転移しやすいので、骨痛・病的骨折・神経麻痺などの症状が現れることもあります。

検査について

前立腺がんの検査では、まず血液検査を行います。前立腺がんがあると、血液中のPSA量が急激に増加します。とても重要な検査で前立腺がんの集団検診にも使用されています。検査の結果、PSA値が4.0ng/mlを超える場合は前立腺がんが疑われますが、前立腺炎や前立腺肥大症でもPSA値は上昇することもあります。そのほか直腸指診で前立腺を直接指で触っての確認、超音波検査(エコー検査)で腫瘤の有無の確認。そしてがんの疑いが高い場合、前立腺針生検(前立腺生検で前立腺組織の一部を採取し、がん細胞の有無を確認する検査)により前立腺がんか否かの確定診断を行います。

治療について

前立腺がんの治療法は進行の程度によってそれぞれ異なります。具体的には、がんが前立腺の被膜内にとどまっている段階であれば、前立腺全体を取り除く根治的前立腺摘除術(前立腺以外にがんが転移していないことが条件)か、放射線療法(がん細胞に放射線を照射して、死滅させる方法)が行われます。また、がんが前立腺の被膜外に拡がった段階であれば、放射線療法とホルモン療法(主に抗男性ホルモン療法:前立腺は男性ホルモン依存性の臓器なので、男性ホルモンを低下させてがん細胞を縮小させる治療法)を組み合わせて行います。さらにがんがリンパ節や骨・肝・肺などに転移している段階の場合は、ホルモン療法のみとなります。

診療案内

Doctor's Fileで掲載されました

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