過活動膀胱とは
尿意切迫感が主な症状として現れ、さらに頻尿や切迫性尿失禁が生じる疾患です。高齢者になるほど有病率が高くなり、日本では40歳以上の男女の約12％に過活動膀胱の症状があると言われています。またこのような症状は、高齢者の方以外でも、中枢神経疾患や下部尿路機能障害（男性であれば前立腺肥大、女性であれば膀胱炎など）のある患者様にもよく認められます。なお尿意切迫感とは急に強い尿意を感じることで、このような症状は寒さや水の音といった外からの刺激によって生じることも多いです。
検査について
過活動膀胱が疑われる場合は他の疾患の可能性も含めて検査を行います。主な検査には尿路の異常の有無や残尿測定（排尿後、膀胱内にどの程度の尿が残っているか）を行うために用いる超音波検査（エコー検査）、尿中の白血球・赤血球・細菌の有無を調べる尿検査などがあります。
治療について治療としては原因となる疾患がある場合はそれに対する治療を行うほか、行動療法や薬物療法といった保存的治療があります。
行動療法では、尿意を感じても排尿を我慢し、排尿の間隔を長くしていくことで段階的に膀胱容量を増やしていく膀胱訓練、飲水の制限や排尿習慣を改善する生活指導、理学療法として骨盤底筋体操などを行います。また薬物療法としては、膀胱で生じる過剰な収縮を抑える抗コリン薬、膀胱容量を広げるβ3受容体作動薬を使用します。
